福井県にある万葉ロマンたっぷりあふれるスポットと言えば、越前の里味真野苑です。
ここは、万葉集に残る悲恋の相聞歌の舞台となった場所で、約2万坪もある敷地なのだそうです。
この敷地には、日本庭園を始めとし、水芭蕉園、ぼたん、藤、花菖蒲などの花や桜、もみじなどの木々と
四季折々の美しさを醸し出しているスポットなのです。
歩いて5分ほどで行くことのできる展望台から見る景色は、これらの花々と同時に味真野の町を一望する事が
できる事で人気を呼んでいます。
万葉の中では、平城の都から越前に流された中臣宅守と狭野弟上娘子
の悲しい恋を歌う舞台として
知られています。
万葉集には、恋の歌が数多くうたわれ、その歌から推測すると当時の人々はとても情熱的に恋をしていた事が伺えます。
例えば「塵泥の数にもあらぬ我ゆゑに思ひ侘ぶらむ妹がかなしさ」という歌があります。
これは、離れ離れになった相手を想う歌です。どういう意味かというと、毎日がとてもつまらなく感じる。離れ離れになった
ために辛い思いをしている人がとても愛しいといった相手を思う歌があったり、
「畏みと告らずありしをみ越路の峠に立ちて妹が名告りつ」という歌では、すごく好きな人がいたけれど、
思いを告げる事が怖く避けていたけれども、越路の峠でふと、愛しさに耐えきれず好きな人の名を呼んでしまったと、
自分が相手を思う気持ちを持て余してしまう激情の感情を歌った歌もあるのです。
現代のように、インターネットや携帯電話などがある時代ではありません。
そんな時代に、都から流布された身分では、好きな人に二度と会えないかもしれない。
そして、その思いを相手に伝える手段は歌しかないのです。
そんな二人の思いややりとりを相聞歌として63首ほどが残されているのです。
この歌を知ると、好きな相手への気持ちをたまには素直に伝えてみようと思わせてくれる気分になってしまいますね。